ニュースリリース

点群画像重畳システムをリリース

お知らせ

株式会社イクシス(本社:神奈川県川崎市、代表取締役Co-CEO:山崎文敬、狩野高志)は、2020年7月7日付で、3Dスキャナで取得した構造物の3次元点群に、ロボットでデータ取得し、AIでひび割れを検出した画像を重ね合わせる「点群画像重畳システム」(以下、「本システム」という。)をリリースしたことをお知らせします。
本システムは当社が進めるデジタルツインの取組の一環で、社会・産業インフラ建物・構造物等のデジタル化の推進及び点検・維持管理業務の生産性向上を支援するものです。

1.開発の背景
現在の建物・構造物の維持管理業務における点検結果は、2次元の図面上に損傷の位置を記録しています。この方法は、損傷の3次元の位置を特定しづらい課題がありました。さらに、損傷の位置を作業者が記録するため、データの整理に時間を要し、構造物を網羅した点検結果の作成は非常に時間が掛かりました。

2.「点群画像重畳システム」の特長
本システムは、ロボットで取得した建物・構造物の3次元の点群と、ひび割れを検出した画像を重ね合わせて表示することにより、損傷の詳細な位置の把握、データ整理の大幅な効率化を実現するもので、特長は以下のとおりです。

①ロボットにて構造物の要点検箇所を網羅したデータ取得
本システムは人ではアクセス困難な構造物や狭隘空間(橋梁桁内など)において、ロボットが正確な位置情報と併せて画像や点群を取得して記録します。GNSSを使用しないため、屋内、橋梁下面などの場所でも位置を取得可能です。

②撮影した画像からAIがコンクリートのひび割れを検出
本システムはひび割れの検出、および位置とサイズの記録作業を自動化します。検出されたひび割れは0.1mmごとに色分けして画像に表示されます。

③取得した3次元点群にひび割れ検出済の画像を重畳
ひび割れ検出済の画像は位置情報に基づき3次元点群上に自動で重畳されるため、データ整理の大幅な効率化を実現します。

④経年変化の観察が可能
本手法によりデータを蓄積することで過去データとの比較が可能となり、ひび割れの経年変化を観察することが可能です。

3.実績
・土木研究所「AIを活用した道路橋メンテナンスの効率化に関する共同研究」にて2019年に実験を実施
・NEXCO中日本「イノベーション交流会」における重点テーマ「高速道路のインフラマネジメント」に参画しており、実証部会「橋梁点検向け三次元形状計測・生成・解析の実証」を設立し、実証中

4.今後の展開
今後は、国土交通省が推進する点検支援技術(画像計測技術)を用いた3次元成果品納品の実現や、民間のインフラ点検の現場に導入し、点検業務の効率化による生産性向上を目指します。

詳細は以下をご覧ください。

プレスリリース

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