ニュースリリース

クレーンレール測定ロボットの共同開発完了と
ベステラ社による新事業の開始

お知らせ

 株式会社イクシス(代表取締役:山崎文敬、狩野高志/以下、イクシス)と、ベステラ株式会社(代表取締役会長:吉野佳秀/以下、ベステラ)は、主にプラント・工場設備に設置され重量物や部品の運搬等に用いられる天井クレーンの定期的な検査を効率的に行うため、クレーンレール上を自走し検査を行うクレーンレール測定ロボット(以下、本ロボット)の共同開発を行い、ベステラ株式会社が当ロボットを用いたシステムによるクレーンレール測定事業を開始しましたので、お知らせいたします。

1、開発の趣旨
 イクシスは、「ロボット×テクノロジーで社会を守る」というミッションのもと、「使える」「使い続けられる」をコンセプトとし、社会・産業インフラ向け検査ロボットや特殊環境対応型ロボットの開発および取得データの解析サービスを行っております。今後、急速に進むインフラの老朽化や熟練技能者不足等の、日本が抱える社会的課題に対して、ロボットによる省力化や安全性の向上を図る等、高い付加価値の提供を続けております。
 一方、ベステラは、「柔軟な発想と創造性、それを活かした技術力により地球環境に貢献します。」を理念に掲げ、つねに新しい技術を生み出し「安全を何よりも優先」し「より早く、より安く、より安全に」を合言葉に、さらに安心を加えてお客様に提供することを規範として、解体更新時期を迎える全てのプラント設備に対して安全かつ効率的な解体技術を提供し続けることで、企業価値の向上を目指しております。
 今回、主にプラント・工場設備に設置され重量物や部品の運搬等に用いられる天井クレーンの定期的な検査にシステムを使い効率的に検査を行う「クレーンレール測定ロボット」の共同開発が完了したことから、ベステラが新たな事業としてクレーンレール測定事業を開始することとなりました。

2、背景と開発の概要
(1)背景
 イクシスとベステラが対象とする電力、製鉄、石油・石油化学工場等の大型プラントでは、天井クレーンといわれる重量物や部品の運搬等に用いる大型の軌道式クレーンが設置されております。その数は日本国内で約13万台(2020年12月31日現在、一般社団法人日本クレーン協会参照)設置されております。
 プラント・工場設備に設置されているクレーンレールは、重量物を吊り上げた天井クレーンが頻繁に走行するため、長期の使用に伴い上下左右にうねり等の変異が生じ、放置すれば亀裂等が入り重大な事故につながる恐れがあります。そのため、つり上げ荷重0.5t以上のクレーンは、労働安全衛生法、クレーン等安全規則により、1年及び1か月に1回の定期自主検査が義務付けられており、検査後の記録は3年間保存することとなっております。さらには、つり上げ荷重3t以上のクレーンについては性能検査義務が付さられており、クレーンを継続して使用する場合は2年毎に性能検査を受ける必要があります。
 現行のクレーンレール検査は、検査を行う数日間は工場の稼働を完全に停止する必要がありました。また、作業員が天井クレーン上に上がって作業を行うため、作業員の安全性確保が難しい検査方法であり、安全性、効率性において有効な手段が求められております。

(2)開発の概要
 クレーンレール検査方法の効率化、工数削減、安全性の向上を目的として、クレーンレール測定ロボット及びクレーンレール測定システムをベステラと共同開発し、実証実験が終了したことから、本格運用することとなりました。(ベステラ株式会社詳細 https://www.besterra.co.jp/
 今回、新たに開発した技術は、レーザー光をロボットが受信してスパン測定・レール勾配・左右レールの水平差等の3次元座標の測定を可能とします。これにより、左右レールでの3次元位置測定が可能となり、従来の検査では分かりづらかった相対的な位置情報を取得が可能となりました。
 また、内蔵されている複数のカメラにより、レール継目の食い違い・レール継目の隙間・ボルト類の劣化・細かい亀裂等も正確に発見することができます。これによりレール測定以外の付加価値を生み出すことが期待できます。従来時間のかかっていた測定データの帳票出力も専用ソフトウェアを開発、測定後即座にデータ化することが可能となりました。今後、量産した本ロボットを自社又はプラント・工場設備保有会社に提供することで、検査の安全性、効率性が飛躍的に向上し、現場の安全管理、設備管理に貢献するものと考えております。
 さらに、ベステラが提供するプラント設備の安全かつ適切で効率的な解体工事および「3D 計測サービス」の総合的なプラント関連サービスが、イクシスの持つ独自のAIを活用したデータ解析サービスにより、インフラの予防保全・経年劣化の将来予測につなげ、プラント解体事業並びに測定事業のDX化を推進できるものと考えております。

お問い合せ先
株式会社イクシス
神奈川県川崎市幸区新川崎 7-7
かわさき新産業創造センター(AIRBIC)内
Business Development Division
電話 :044-589-1500
お問い合わせフォーム:https://www.ixs.co.jp/inquiry

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